こんにちわ、もちこです。
今回はSQについて解説したいと思います。
ご存知でしょうか、SQ。
スペシャルクオーテーションの略で、株価指数先物やオプション取引の決済に使われる数値のことです。
先物やオプション取引を知らない方からすると「なんのこっちゃ」という話ですよね。
でも大丈夫、ここではわかりやすく解説しています。
「私は株だけで先物もオプションもやっていないから、SQは関係ないですね」というあなたは、ちょっとお待ちください。
実はSQ、先物やオプションの締日であるにも関わらず、株式市場にも大きな影響を与えるものなんです。
もしかしたら、あなたの保有している銘柄にも非常に大きな影響を及ぼすものかもしれません。
株をやっているあなたも、株をやっていないあなたも、SQについてぜひ知っておいてください。
SQとは何か
SQとは何か知るために、簡単に先物とオプションの仕組みをおさらいしてみましょう。
先物やオプション取引をする場合、取引を終わらせなければいけない期限があるんです。
例えば、日経平均の先物を買ったとしたら、6/11までに取引を終わらせていなければ、6/12に強制決済されてしまうという風に。
この決済されるときの数値をSQ値、決済される日をSQというんです。
このSQには2種類あって、マイナーSQとメジャーSQ ( MSQとも呼ばれます ) があるんです。
- メジャーSQというのは、先物とオプションの決算が重なる日のことです。
3月、6月、9月、12月の第2金曜金曜です。 - マイナーSQというのは、オプションの決算日のことですね。
メジャーSQの月以外の月の第2金曜がマイナーSQです。
が、このSQの前後になると、株式市場が荒れてしまうことが多いんです。
特にメジャーSQの前後は日経平均が下落するなど、投資家達にとって見過ごせない影響があります。
なぜSQが株式市場に影響を与えるのか?
なぜ先物やオプションの決算日が株に影響があるのでしょうか。
それは、先物やオプションを取引している人たちが、SQ値を巡って様々な攻防戦をするからなんです。
SQの日に算出されるSQ値というのはですね、SQ日の日経平均に採用されている225銘柄の始値から算出されているんです。
では、そのSQ値を自分好みに操作したいと思ったら、あなただったらどうしますか?
きっと、日経平均に採用されている225銘柄の株価を操作しようと思いますよね。
そうでなくても、先物やオプションは日経平均と連動しているものです。
このように、日経平均と非常に密接な関わりをもっているために、日経平均を作り上げている株式市場でもSQをめぐるドンパチが始まってしまうんですね。
先物・オプション取引は機関投資家の主戦場
先物もオプションも、基本的にメインプレイヤーは外国人投資家であり、機関投資家が多いと言われています。
なぜなら、先物やオプションは参加者が多いので、彼らのように一度に大量の取引をする人たちにとっては、いつでも大量に売買できる場所が好都合だからです。
株で万株を取引したい場合、一部の大型株に限られますよね。
でも、先物やオプションなら参加者が多いために、いつでもできるんです。
機関投資家が行う裁定取引とは何か
では、彼らがSQの前後でどのような取引を行っているのかというと、裁定取引(またはアービトラージ)と呼ばれるものを行っているんです。
裁定取引とは、日経平均と日経225先物という、同じ動きをする金融商品を取引することです。
例えば、日経先物が22,000円で、日経平均が21,000円だったとします。
ご存知の通り、日経先物と日経平均は互いに近づき、同じ動きをします。
つまり、日経先物は21,000円に近づきますし、日経平均は22,000円に近づこうとするんです。
この特徴を生かして利益を狙います。
具体的にどうするのかというと、日経先物で空売りをいれ、日経平均を買うんです。
すると、日経先物と日経平均の両方で利益を出すことができますよね。
これは同一の銘柄を取り扱うというところで、理論上負ける確率は0%とも言われる手法です。
機関投資家の方々はこんな風に、先物と日経平均とを取引しているのです。
ただし、これは機関投資家にしか使えない手法です。
それはなぜか、次の項目で解説してみますよ。
裁定取引はアルゴリズムを使うことが前提の取引
先ほどの説明で不思議に思った方もいるかもしれませんが、日経先物という金融商品はありますが、日経平均という金融商品はありませんよね。
なぜなら、日経平均というのは日本を代表する225銘柄の平均の値だからです。
でも、日経平均を再現する方法がないことはないのです。
日経平均は先ほども言った通り、225銘柄の平均です。
つまり、日経225銘柄を全て買って、日経平均と同じ動きをするような状態にしておけば、理論上は可能です。
ただし、それは聞いていてわかるかもしれませんが、非常に面倒なんですよ。
そこで機関投資家の専売特許、アルゴリズム取引が出てきます。
アルゴリズム取引というのは、あらかじめコンピューターにいれておいたプログラムに合わせて高速売買をしてくれる取引のことです。
機関投資家は普段からこれを使って取引をしており、裁定取引するときも日経と同じ動きになるように保有銘柄をアルゴリズムで調整しています。
つまり、日経平均を再現しながら、先物と裁定取引をすることができてしまうわけです。
個人にはまず無理な手法で、機関投資家ならではのやり方といえるでしょう。
※裁定取引に似た手法で、値動きが似ている2つの銘柄で空売りと買いを行って利益を狙うサヤ取り(ペアトレード)と呼ばれる手法もあります。
これであれば個人で行うことも可能です。
過去の記事で詳しく紹介しているので、機関投資家の手法を真似してみたい! という方はこちらの記事もどうぞ。→サヤ取りって何?やり方とメリット・デメリットをわかりやすく解説
先物やオプションは反対売買が必要ない?
先物やオプションは期日がくるとSQで全て決済されるという面白い特徴があるため、更に大荒れになるのです。
通常の株であれば、500円で買った株を600円になった時点で売れば売買が終わりますよね。
でも、先物やオプションは違います。
先物を買ったとして、売ることはしなくても期日がきたらSQ値で決済されるんです。
逆も同じで、売ったとしても、買い戻す必要はありません。期日が来たら自動的にSQ値で決済されます。
この特徴を活かして、彼らは容赦なく相場を揺さぶります。
例えば、彼らがSQ日に近づくにつれ、先物に大量の売りを浴びせてきたとします。
先物を下げると、勿論日経平均の実体も下がるので、相場全体が下がりますよね。
通常であれば、相場全体を下げる程の売りなら、相場が上がる程の買い戻しをしなければなりません。
が、先物の場合はSQ日が来たら自動的にSQ値で決済されてしまうため、買い戻す必要がないんですよ。
このSQ日で決済されるという特徴で利益を出そうとするため、SQ日の前後は相場全体が非常に不安定になりやすいんです。
「株価操縦は禁止されているでしょう!」と思った方もいるかもしれません。
まさにその通りで、株価操縦はご法度中のご法度。
ですが、機関投資家によるSQ前後の株価操縦は放置されているのが実情のようです。
裁定取引とSQによる影響
そこで再度SQについて考えてみましょう。
SQというのは、先物やオプションの決算日ですよね。
ということは、裁定取引が非常に活発に行われる日であり、裁定取引を終了させる日ということになります。
まして、多くの参加者がそれぞれの利益を出そうと、様々な思惑が渦巻いている状態なんです。
これに伴って日経平均を構成する銘柄は活発に取引され、銘柄によっては非常に大きく値が動くものもあるのです。
このことから、SQの前後は株取引をする投資家も注目しているんですね。
メジャーSQとマイナーSQの需給変化の違い
ところで、SQにはマイナーSQとメジャーSQがあるという話を最初にしましたよね。
どちらの方がより日経平均や株価が動くのかと言うと、断然メジャーSQです。
理由は勿論、先物とオプションの両方の決算がされるので、それに伴い裁定取引の量も増えるためですね。
MSQに近づくにつれて徐々に相場は不安定になりますが、特にSQのある週の水曜日は相場が荒れるというアノマリーがあります。
※余談・水曜日の謎※
なぜSQのある週の水曜日なのかと思いますよね。
SQ・MSQは金曜日なのですから、前日の木曜日に荒れそうなものです。
これに関しては真偽不明ですが、どうやら木曜日に大量の売りを浴びせる等の株価操縦をすると警告を出されるので水曜日に行うという噂です。
ようやく立ち直りはじめた日経平均にメジャーSQが与える影響
大体SQについてわかってきたところで、気になるのが今回のMSQです。
2020/6/13のMSQは、コロナショック後はじめてのMSQとなります。
ここまでの日経の流れをざっくりとおさらいしてみますよ。
コロナショックが起きた2月の中旬から、日経はリーマンショックや世界同時株安と比較されるほど強烈に下落しました。
サーキットブレーカーが何度か発動し、個人投資家の間でも
「もはやインバースしか買えない」「涙で明日が見えない」「ポマードポマードポマード」
という総悲観ムードが漂っていました。
が、暗黒時代真っ盛りの3月中旬を底にして、その後はワクチン開発への期待や、感染者減少、金融刺激策、経済活動再開ムードに押されて徐々に回復を始めます。
特に5月末からは急激な上昇が続き、20,000円台から23,000円台まで回復し、何を買っても儲かる相場に変貌して現在に至ります。
また、直近の相場全体でいうと、コロナショックによる個人投資家・機関投資家の売りが積みあがっていたところに、外国人投資家からまとまった先物買いが入ったことで、踏み上げ相場となっています。
5月末以降、押し目らしい押し目がないままの上昇が続き、騰落レシオも130~150程度で推移しており、過熱感も感じられます。
そしてここにきてメジャーSQです。
先ほど解説した通り、SQ値が出ることによって様々な思惑がぶつかり合い、需給が変わることが予想されます。
例年であれば6月のMSQを通過した後から徐々に薄商いの夏枯れ相場となり、需給がはっきりしてくるようです。
が、今回はなんといってもコロナショックの影響があるうえ、11月には米大統領選も控えています。
需給面だけでなく、重要イベントを盛り込んだ内容になることも予想されます。
SQ前後の立ち回り方
では、そんなSQですが、どんな立ち回りをする必要があるでしょうか。
まず予想されるのは、これまでのMSQと同様に日経に寄与度の高い、ファーストリテイリング、ソフトバンクG、ファナック、東京エレクトロン等は非常によく動く可能性が高いということです。
なぜかというと、先程も出てきた通りSQ値を自分の好みのものに近づけたい人達がたくさんいるからですね。
SQ値を自分好みにしたいということは、日経に寄与度の高いファストリやソフトバンクGのような銘柄を売買することでSQ値をコントロールしようとするんです。
もしも寄与度の高い銘柄を保有している場合は、それも加味して立ち回りを考えるべきでしょう。
また、現在は個人の空売り・機関投資家のヘッジ・大手外資の先物買い等で過熱感があるので、踏み上げに圧力がかかっている状況です。
貸借倍率などで買い残が多い小型株を保有している場合で、尚且つ含み損がある場合は少し慎重に立ち回った方が良いかもしれません。
例えば、今回のMSQ前に一時的にポジションを軽くするとか、売り残の多い別の銘柄でヘッジをかける等、リスク回避のポジション整理をしておくという手もありますよ。
両建てというのも良いかも。
何にせよ、今回は非常にイレギュラーな相場であって、どうなるのか非常に読みにくい相場になっていることは確かです。
何より、MSQ通過後の方向性にも注目ですね。
ここまでイレギュラーな年なので、素直に例年通りの流れになるとは予想しづらいですが、その都度相場に合わせた立ち回りを考えたいものです。
では、今回はこのへんで失礼いたします。
あなたの株式投資が楽しいものとなりますように。
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という方はこちらの銘柄も参考にしてみてください。
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