こんにちわ、もちこです。
突然ですが、あなたは【先物】とは何かご存知でしょうか。
なんとなく聞いたことはあっても、よく分からないという方も多いかもしれませんね。
私もまさにそうでした。
株をやっていても、ニュースで「原油先物価格が下落した影響で……」なんてフレーズをよく見るのですが、先物って何なのでしょうね。
先物とは、ものすごく簡単に言うと「未来にこれを買うよ」という約束をする取引のことなんです。
株の現物取引なんかは「今」買ったり売ったりしますよね。
でも先物は基本的に「将来」買ったり売ったりする約束なんです。
更に、先物というのはFXや株式投資をする方にとっても非常に重要なものなんです。
厳密に言うと先物にも様々な種類がありまして、その中のいくつかは社会全体に大きな影響を与えているのです。
そうなると勿論、株やFXをやるうえで全体相場を確認するための、非常に重要なものとなるわけです。
今回は先物とはどんなものなのか、わかりやすく解説してみますよ。
また、株をやる人ならば日経225先物等の株価指数の先物がどんなものか知っておくことは必須ともいえます。
是非覚えてしまいましょう。
先物とはなにか?
まず最初に、冒頭でも少し出てきましたが、先物を簡単に言うと
「いつに、いくらでこれを買うよ」という未来の約束をすることなんです。まさに先の物。
何を言っているのかわかりませんよね。大丈夫です。
わかりやすく説明します。
例:来年収穫される新米を買いたい場合
例えば、あなたが来年収穫されるであろう新米を買おうと思ったとします。
でも、お米ってその年ごとにどれだけ収穫できるのか、わからないですよね。
来年もしかしたら酷い嵐がきて、ほとんど収穫できないかもしれません。
そうなるとお米の価格って、上がりますよね。
みんなお米が欲しいのに量が少ない場合、価格(価値)はあがってしまいますからね。
それとは逆に、天候に恵まれて多く収穫できることもありますよね。
そうなるとみんなのもとに満遍なくお米は行き渡りますが、お米の価格は低くなります。
売っても売っても在庫があるので、値段は安くなるでしょう。
つまり、お米の価格ってその年ごとで全然違うわけですよね。
買う時にならないと値段が分からないんです。
そこで、あなたと農家の方が話し合って考えた結果、収穫前に
「お米の値段をあらかじめ決めておきましょう。収穫したお米10kgを5,000円で取引しましょう」
という約束を決めたのです。
その後、実際にお米を取引することになった場合を考えてみましょう。
お米が非常に不作で、価値があがり、市場価格は6,000円になっていたとします。
そうするとあなたは、市場価格よりも1,000円安く買うことができてしまうんです。
非常に得をしましたよね。
逆に、非常に天候に恵まれて大量のお米が作られたとしたら、どうでしょうか。
市場価格では4,000円という値段になっていました。
そうするとあなたは、市場価格よりも1,000円高く買うことになり、損をしてしまいました。
この「未来ににいくらで買う約束」をして、そこで利益を狙うというのが、先物取引です。
これはあくまで非常に原始的な例であって、現在の先物取引の商品である原油やとうもろこしが家に届くことはありませんが、大体こんな取引だと思ってくれてOKです。
(ちなみに金の先物取引の種類によっては、金インゴットを持つことができます。面白いですね)
先物の代表格、金の先物取引
次に、現在実際に取引されている先物の商品で考えてみましょう。
先物には様々な種類があり、後ほど色々と紹介しますが、金(ゴールド)の先物は非常に有名です。
これも先程の例と同じく、「○月に○○円で金をどのくらい買いますよ」という「約束」を取引しているのです。
ところで、金という商品には【安定資産】という特徴があります。
例えば、日本で金融危機や自国の通貨である【円】の価値が揺らぐような状況が訪れたとしますよね。
すると、「この通貨が紙くずになる前に、通貨を金にしておこう」と考える人が多くなるんですよ。
なぜなら、金というのは現代の社会で様々な場面で使われていて、未来永劫に不変とまではいかなくとも、現段階では【比較的価値が安定しているもの】であり、【常に需要と供給があるもの】なんです。
なので、何かまずいことが起きると【通貨】で【金】を買う傾向が強くなり、金の価格が上がります。
逆に、「今は景気が良くて毎日株式市場にお金流れてきてるよ」という状況になれば「株取引の方が儲かりそう」と思う人が多いので株を買う人が多くなりますよね。
すると今度は金を取引する人は少なくなり、金の価格は下がります。
先物取引は、そういった状況を見ながら少し未来の金の価格を予測して、買う・または売る約束をする取引なんですね。
先物取引は「先」の売買
先物はFXや株取引とは違って、売買するタイミングにも大きな違いがあります。
株式投資の場合は、「今」買いますよね。
「この会社はこんなに良い商品を作っていて将来有望だ。これから世界の第一線で活躍する会社になるぞ」と思えば、「今」買います。
そして将来値上がりしたタイミングで売って、その差額で利益を出します。
でも、先物の場合は「未来に買う約束」をしています。
最初のお米の例でも出てきましたが、「私は来月、この商品をいくらで買うよ」ということです。
例えば、あなたが金を5900円の時点で買ったとするなら、「○月に5900円で金を買う約束をした」ということです。
そして、金の価格がそこから推移して6000円になったとして、そこで決済することができます。
つまり、「5900円で買う約束」を売るわけですよ。
するとそこに100円の差額が発生して、それが利益となります。
先物には保有できる期間あり
ここまでの解説を聞いていて、「じゃあ金の先物を永遠に持ち続けていたら有事のときも安心?」なんて考えた方もいらっしゃるかもしれません。
確かに金のインゴットを買えば有事の際も安心かもしれませんが、金の先物では不可能なんです。
なぜなら、先物は保有できる期間が決められているためです。
現物株の場合は会社が存在していて上場している限りは、半永久的に株を保有することができますが、先物は保有できる期限があります。
というのも、先物には【限月】と呼ばれる期間が決められており、この期限の最終日を【納会日】といいます。
納会日に反対売買をしていない場合、納会日が来た時点で強制決済されるんです。
期限は商品によって様々ですが、半年~1年の期間と定められていますよ。
先物は証拠金だけで売りも買いもできる
先物というのは「先」の取引で、「今」買うわけではない、ということは先述した通りですよね。
この特徴があるため、先物を買う時は必要になるお金は【証拠金】というお金のみを入れておけば取引できてしまうんです。
例えば、株の現物取引をする場合、1株500円の株を100株ほしいと思ったときは500円×100株なので、50,000円必要になりますよね。
ですが、先物取引の場合は少し違います。
例えば、金の取引単位は1,000グラムですが、現在の価格が1グラム5,000円だとします。
すると、全てを買おうと思うと単純計算で5,000,000円が取引に必要になりますよね。
でも、先物なので現物の価格全てではなく、その一部の100,000円を証拠金として口座に入れていれておくことで取引ができてしまうわけです。(これはあくまで例です。その時によって必要な証拠金が変動しますので、ご注意ください)
この証拠金というのは、取引をするにあたっての担保だと考えてもらって問題ありません。
約束を守る証拠、ということですね。
更に、株の場合は空売りという信用取引をしない限り売りから売買をスタートすることはできませんが、先物の場合は買いと売りのどちらからでもスタートすることができますよ。
証拠金取引の恐ろしいデメリット
証拠金さえいれれば少額からでも先物が始められる、というのは非常に魅力的ですよね。
誰でも始められそうですし、案外気軽なもののように思えてきます。
でも、少し待ってください。
先物は非常に危険な側面も持っています。
例えば、金が1グラム5,000円の時に、1,000グラム買ったとします。
その時に必要な証拠金100,000円でした。
その後、金の価格が上がって5,000円が5,100円になった場合、利益分の100円×1,000グラムなので、合計100,000円の利益が出ます。
とんでもない利益ですね。すごく嬉しくなりますよね。カイジなら(>x<)←こういう顔になってますね。
でも、逆に5,000円から4,900円に値下がりしてしまった場合は大変です。
損失の100円×1,000グラムなので、-100,000円の損失です。
口座に入れていた証拠金は空っぽです。
更に運が悪ければ、5000円から4500円にまで値下がりしてしまった場合の損失は-500,000円となり、証拠金以上のマイナスが発生してしまいます。
つまり、損失分のお金を支払う必要があるんです。とんでもないことになってしまいました。カイジなら泣いてます。
こういった特徴があるため、先物取引はハイリスク・ハイリターンな金融商品だと言われることもありますよ。
商品先物と金融先物
先物には様々な商品がありますが、大きく分けて商品先物と金融先物の2つに分かれます。
商品先物の代表的なものだと、金、白金、原油、大豆、とうもろこし等です。
金融先物というのは、もしかしたら聞いたことがあるかもしれませんが、
日経225先物、TOPIX先物、ダウ先物などの株価指数の先物なんです。
株価指数の先物ってどういうこと? と思うかもしれませんが、なんてことはありません。
商品先物がそのまま株価指数に代わっただけです。
つまり、今日日経先物を19,290円で買ったとして、一週間後に19,500円になっていたら「19290円で買う約束」を売って、差額である210円の利益が出るのです。
金融先物のSQ日
金融先物は商品先物と唯一大きく違う点があります。
それは売買が決済される日です。
金融先物は売買できる期限の翌日に出る決済価格をSQ(エスキュー。スペシャル・クォーテーションの略)といいまして、SQ値が出る決済日をSQ日といいます。
金融先物の場合、満期日までに決算をしていなかった場合は、SQ値によって全ての取引は強制決済されます。
また、SQが近くなると、株式相場が荒れると言われています。
SQの値を目的のものに近づけるために、機関投資家によってSQ値に影響が大きい銘柄の株価が急落させられてしまったり、先物の決算を控えたことによるファンドが現物株と先物の裁定取引を行うことも一因だと言われています。こまったもんですね。
超重要!この先物には注目です
先物の仕組みがだいぶ分かってきたところで、
世間に影響を与える先物といえば、代表的なところで原油、金、それから日経225やダウ先物が挙げられます。
まず最初に原油です。
原油は様々な国が注目する、重要なエネルギー資源です。
何か物を作ったり、動かすにも原油が使われるので、もはや人々の生活における必需品ともいえるものでしょう。
また、車社会の国を支えるものであり、原産国である国にとっては命綱にも等しいものです。(主な原油生産国はアメリカ、サウジアラビア、ロシアです)
このため、原油価格は各国が非常に注目しており、日本国内でも原油先物価格が低いことが重石となって、株価が上がらないこともよくあります。
また、原油は景気が良くてリスクをおかしても利益を狙いたい人が多い時に買われることの多い銘柄で、景気を知るうえで重要なものでもあります。
次に、金は先程も少し出てきましたが、安定資産としての側面が強く、通貨に対する不安がある状態や、世界経済が減退する懸念が高まると買われる傾向にあります。
これも景気を知る上で重要なもので、原油とは逆にリスクをとりたくない場合に買われることが多いです。
更に、指数先物の場合は指数の実体に連動する存在であるため、株式投資をする人たちにとっては非常に重要な存在です。
日経225先物は日経225を牽引しますし、ダウ先物はダウを牽引するということですね。
これには様々な理由がありまして、
主に日経平均と日経平均の価格差が広がると、その価格差を利用した取引が盛んになるためだと言われています。
これはどういうことかというと、例えば日経平均が上がりすぎていて、日経先物が低すぎる状態だとします。
そうすると、2つの価格差はいずれ埋まるだろうと見込んで、日経平均に影響の強い銘柄を空売りし、日経先物を現物買いするということですね。
すると、日経と日経先物の価格差が縮まったときに、両方で利益を出すことができます。
さらに、この売買が多くされればされるほど、日経と日経先物も連動する動きに変わりますよね。
先物は参加者が非常に多く、流動性が非常に高く取引がしやすいという特徴があるため、機関投資家が非常に多い市場です。
先程の先物と実体指数の差で利益を狙うやり方も、まさに機関投資家が好む方法なのだそう。
また、株式市場でも圧倒的な存在感のある外国人投資家ですが、先物では更に外国人投資家の比率が高いと言われています。
未来の取引に刮目せよ
「今」買うのではなく「先」の取引を行う先物取引のことを、少しでも理解してもらえたでしょうか。
マーケット関連のニュースでよく聞く「先物」ですが、仕組みを理解してしまうとなんてことのない取引です。
先物取引を行うかどうかはさておき、少しだけ先物の価格に注目してみると、これまでとは世間や相場に対する見方が変わるかもしれませんよ。
是非チェックしてみてください。
では、今回はこの辺で失礼します。
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